「ちょっとした特殊な能力、それが異常種

0783236asx

「そいつは、どうかな,beats by dr.dre？」
「えっ……？」
　だがそれに反論する者がいた,モンスター ヘッドホン。
「確かに、さっきのを無傷ってのは凄いと思う。でもそれは、その子らが驚異的な防御力を持っているからとかじゃあないんだろう？」
　あれだけの力の差を見せつけられたにも関わらず、笑みを貫く少年,monster beats studio。ふてぶてしいまでの笑みに、こちらまでつられてしまいそうになる。
「ちょっとした特殊な能力、それが異常種（イレギュラー）の特徴。そういうことだろう？」
「……なんのことだ？」
「とぼけるなよ,monster beats solo。その子の……ヒュウの能力のことさ,モンスター ヘッドホン。惜しかったよな、それさえなければ、今のでミュウの勝ちだった」
　自信満々な勝利宣言をする,monster beats solo。
　己の魔物（なかま）を信じたその笑み。
　自分を受け入れたあの笑み。
　その笑みだけで折れた心が繋がった気がした。
　ユクレステ・フォム・ダーゲシュテン。
　私の、ご主人様（マイマスター）
　じんわりと瞳が揺れる。ミュウは急いで服の袖で涙を拭い、ユクレステへと顔を向ける。
「ご主人様、今のって……」
「ふふん、簡単なことだよミュウくん」
　気取った態度に思わず笑ってしまった。ユクレステは気にせずヒュウへと指を突きつけた,monster beats。
「あのワン公は風を操るのは既に知っての通りだけど、風ってのは何も流れるものだけでもないんだ。事象と事象が起こるその隙間に起こることを風と称することもあるわけ」
「え、えっと……」
「んー、分かりやすく言うとだな……今ミュウが攻撃しようと剣気を使っただろう,ヘッドホン？　その剣気を使用するということに干渉してきたのが、ヒュウ達の『風』ってことさ。今回はその剣気を極力逸らすように風を起こしたってとこかな？」
　チラ、と視線はウォルフに向いている,beats by dr.dre。正解か不正解か。それは彼の顔を見れば分かることだろう。
「……まさか、あれだけで分かるとはな。正直、貴様のことは見くびり過ぎていたようだな」
「ま、俺が少し風に対して得意ってだけだけどな」
　ニヤリと笑い、再度ミュウを見る,beats by dr.dre。
「大丈夫、勝ち目はある。だから、諦めるな。俺が、マリンが……おまえの今までを知る俺たちが、おまえを見ているから」
　笑った、それでも真剣な表情で励ます。
　それに対して、こちらも笑って返そう。
「……はい！」
　どうやら彼女に戦意が戻ったようだ。それならば、とヒュウは己の主へと視線を向ける。それを受け、彼は間髪入れずに頷いている。どうやらウォルフも勝負を決めにきたのだろう。
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