法中之桥
Title:
そしてどう判断したらいいのか戸惑いつつも、こう続けた
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Author:
cfjEqPcmHlc
Time:
2014-11-06 02:32
Title:
そしてどう判断したらいいのか戸惑いつつも、こう続けた
022 ・ リスタートされた人生
不思議に思っていた。
年明けに出て行くと行った割に、何の準備もしていない両親の事を,
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。
――まあ年末じゃ、引越し業者も休みだしな,
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。
少年はぼんやりとそう考えていたが、それは間違いだった事が判明する日がとうとうやってきた。
「想」
年末の休暇に入ったらしい父に呼ばれ、少年は自分の部屋を出てリビングへと移動する。そこには父がじっと、座って待っていた。母の姿はない。
「何か用,
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「この間の話なんだが……」
そこで言葉が止まる。
――行かないで、お父さん! お母さん!
というのを待っているんだろうな、と考え、ニヤリと笑う。
――言うかよ、そんな事,
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「この間の話って?」
「……」
父の瞳がぎゅうっと閉じて、口からは苦しげなため息が出てきた。少年は知らん顔でそれをじっと見つめる。
「すまなかった。この間の話、出て行くっていうのは嘘だ」
「はい,
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「行かないでくれと言ってくれるものだと思っていた。想が許してくれるなら、やり直そうと母さんと決めてたんだ」
「許してくれなかった場合はどうするつもりだったわけ?」
「それは……」
―― 一人暮らしなんて無理ー! パパー! ママー,
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! って言うまで待とう、とかか?
息子の冷たい視線に気がついて、父は頭をくしゃくしゃっと掻くと、観念したような顔でふうと息をついてまた話し始めた,
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「とにかく、あれは嘘だ。ちゃんとやり直そう。家族として」
――おーい、四谷! これが待ってた幸せかー?
しょうもない結末に呆れながら、少年は簡潔な返事を父に告げる。
「いいけど」
「いいのか?」
「何でもいいって言っただろ,
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? 別に、なんだって俺は構わないんだよ」
息子のセリフに、父の顔は複雑だ。今の言葉が、許しなのか、それとも投げやりなものなのか判別がついていないらしい。そしてどう判断したらいいのか戸惑いつつも、こう続けた。
「想、頼みがあるんだ」
――嘘ついて息子試した挙句、頼み,
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「何よ」
「来年家族が増える。母さんは仕事を辞める。体調が良くないから、家の事、手伝って欲しいんだ」
――あ、こっちか? 幸せって。もしかして,
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いつの間にそんなことになっていたのか、母の年齢がいくつだったか、もしかして「これが人間の幸福だ」とか超幸運が言い出すんじゃないかとか、そんな思考が頭の中をギュンギュンと飛び交い、そのすべてに呆れた気分になって想は唸った。
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